さくら 満つ 月
好きなものつめこみブログ
ぬらりひょんの孫【創作】No Pain , No My ―――その2 
2011/05/22 Sun. 09:10 [edit]
*
とうとう空が白みはじめ、なお戦況は互角だった。
大将同士の戦いを、双方見守るしかない。
やわらかに朝日がのぼり、リクオの姿形が“人間”のそれに戻っていく。
玉章にはそれが――――奴良リクオが弱体化したと、そう見えた。
リクオが玉章の前に一歩踏み込み、するするとかく乱させるように動いた。
ぬらりひょん直伝(見よう見まねではあるが)必殺技・鏡花水月 だ。
奴良リクオの姿はそこにあるはずなのに、理解(わ か)らない。
リクオは一瞬のすきをついて玉章の銅めがけて刀を突く。
どん。剣が重い。
「―――――な・・・・っ!?」
リクオは目を疑う。戦いを見守っていた雪女も、悲痛なほどの声をあげた。
「・・・・え!?」
ねねきりまるの刃から、玉章をかばったものがあった。
針女だ。
「・・・た まずき さま」
「な、なに・・・!?」
玉章の顔に僅かに動揺の色が走った。
彼の仮面に、ぱきりとひびを走らせるにはじゅうぶんなほどの。
わかっているわかっている。
私も犬神も、駒でしかない。
あの言葉がたとえ嘘でも。たとえあなたが恐ろしくとも。
「僕と、ともに居よう――――」
とうとう空が白みはじめ、なお戦況は互角だった。
大将同士の戦いを、双方見守るしかない。
やわらかに朝日がのぼり、リクオの姿形が“人間”のそれに戻っていく。
玉章にはそれが――――奴良リクオが弱体化したと、そう見えた。
リクオが玉章の前に一歩踏み込み、するするとかく乱させるように動いた。
ぬらりひょん直伝(見よう見まねではあるが)必殺技・鏡花水月 だ。
奴良リクオの姿はそこにあるはずなのに、理解(わ か)らない。
リクオは一瞬のすきをついて玉章の銅めがけて刀を突く。
どん。剣が重い。
「―――――な・・・・っ!?」
リクオは目を疑う。戦いを見守っていた雪女も、悲痛なほどの声をあげた。
「・・・・え!?」
ねねきりまるの刃から、玉章をかばったものがあった。
針女だ。
「・・・た まずき さま」
「な、なに・・・!?」
玉章の顔に僅かに動揺の色が走った。
彼の仮面に、ぱきりとひびを走らせるにはじゅうぶんなほどの。
わかっているわかっている。
私も犬神も、駒でしかない。
あの言葉がたとえ嘘でも。たとえあなたが恐ろしくとも。
「僕と、ともに居よう――――」
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ぬらりひょんの孫【創作】No Pain , No My ――― 
2011/05/22 Sun. 09:05 [edit]
ぬらりひょんの孫 四国編原作ベースで創作・相違あり。
若干ダークかもしれません。少しだけ大人っぽい表現もあるかな?
兎に角、原作のイメージが壊れないことを祈りつつ。
四国八十八鬼夜行・玉章と針女。
奴良組百鬼夜行・首無と毛倡妓。
――――キミらの本気は、
イタイんだよ。
―――――ボクには。
*
若干ダークかもしれません。少しだけ大人っぽい表現もあるかな?
兎に角、原作のイメージが壊れないことを祈りつつ。
四国八十八鬼夜行・玉章と針女。
奴良組百鬼夜行・首無と毛倡妓。
――――キミらの本気は、
イタイんだよ。
―――――ボクには。
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ぬらりひょんの孫【創作】No Pain , No My ――― あとがき。 
2011/05/22 Sun. 09:00 [edit]
あ、ら。こんなお話ができるとは。
思った以上にダークになってしまった気がする。
まさか四国組中心になるとは。リクオ様も雪女もいるのに。
きっかけは、母が「ぬら孫」録画DVDを見ていたこと。
針女さんと毛倡妓さんが戦っていた回の、
折笠愛さん(針女の声をあててらっしゃる声優さん)の声を
聞いてたら浮かんできました。
それからやっぱり、四国編のラストなんですよね。
玉章は仲間を魔王の小槌の贄(にえ)にするわけで、
なお「力を手に入れる」ことに固執してるっていうのは
どうなんだ?って思ったのも感覚として勝手にあって。それの補完というか。
そういう「何をしてでも」というのを貫いたキャラクターなんだろうけども。
こんなのもあったらな~というので。
首無と毛倡妓ねえさんと、玉章と針女。
対比になってます。前半の最後でふわっと・・・なるかな、
なっていれば。
首無が毛倡妓ねえさんに助けられてふわっと地に降りるところが
書いてみたくて。京都編VS茨木童子がベースになってます。
針女さんの過去は完全に捏造です。
公式設定あって、捏造でしたらなおすみません。
キスシーン書いてしまいましたすみませ。
痛みの先に在るものはきっと―――― 愛だ。
思った以上にダークになってしまった気がする。
まさか四国組中心になるとは。リクオ様も雪女もいるのに。
きっかけは、母が「ぬら孫」録画DVDを見ていたこと。
針女さんと毛倡妓さんが戦っていた回の、
折笠愛さん(針女の声をあててらっしゃる声優さん)の声を
聞いてたら浮かんできました。
それからやっぱり、四国編のラストなんですよね。
玉章は仲間を魔王の小槌の贄(にえ)にするわけで、
なお「力を手に入れる」ことに固執してるっていうのは
どうなんだ?って思ったのも感覚として勝手にあって。それの補完というか。
そういう「何をしてでも」というのを貫いたキャラクターなんだろうけども。
こんなのもあったらな~というので。
首無と毛倡妓ねえさんと、玉章と針女。
対比になってます。前半の最後でふわっと・・・なるかな、
なっていれば。
首無が毛倡妓ねえさんに助けられてふわっと地に降りるところが
書いてみたくて。京都編VS茨木童子がベースになってます。
針女さんの過去は完全に捏造です。
公式設定あって、捏造でしたらなおすみません。
キスシーン書いてしまいましたすみませ。
痛みの先に在るものはきっと―――― 愛だ。
ななつのこ ~【小噺】 ぬらりひょんの孫~ 
2011/05/08 Sun. 18:28 [edit]
コミックス4巻を読んだときから
ずーっとあったイメージ。
もう完全に私の中のイメージなので
書くだけなんですが。
*
放課後、教室のカーテンに夕日が差し込んでいる。
やわらかい風が、夏美の前髪を少し揺らした。
まつ毛がかげになっている。
窓際の席で、彼女はうたたねをしている。
ぽかぽかあったかくて、つい。そんなところだろう。
からだをまるめて眠る猫のそれ。
ずーっとあったイメージ。
もう完全に私の中のイメージなので
書くだけなんですが。
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放課後、教室のカーテンに夕日が差し込んでいる。
やわらかい風が、夏美の前髪を少し揺らした。
まつ毛がかげになっている。
窓際の席で、彼女はうたたねをしている。
ぽかぽかあったかくて、つい。そんなところだろう。
からだをまるめて眠る猫のそれ。