さくら 満つ 月

好きなものつめこみブログ

はい、ポーズ!【TOV web Novels】  

―――そんなの、迷信よ!


「ね、エステル。写真撮ろうよ」
楽しげにリタが声をかけてくる。リタの手には、小さな箱のようなもの。
映写魔導器というらしい。エアルによって光を反射させ、それを像にする機械。

このレンズの方をのぞいて、上部にあるスイッチを押すと、
今この瞬間が一枚の写真になって出てくるという。
下町にいたころには、
ユーリもフレンもそのようなものになじみはなかったし、目にしたこともなかった。

「面白そうだな」と、彼ですら興味ある様子。
「し、しかし、僕たちは先を急がなくては・・・」と、暇つぶしを制するフレン。

「ま、ちょっとくらいならいいんじゃねえの?
急がば回れとも、急いてはことをし損じるとも言うしな」

背丈の順に並ぶ面々。ユーリ、フレンを中心に両側にはリタとカロル
おっさんことレイヴンと、ジュディスはユーリとフレンの後ろに並ぶ。
一番前には、ラピードがちょんとしかし堂々と座り、その隣にはきっちりポーズを取ったパティが、シャッターが切られるのを今かと待っている。

タイマーをセットして定位置に戻ったリタ。さあ今かと思ったとき、
レイヴンが声を低くしてささやいた。

「映写魔導器のレンズをじーっと見てるとさああ・・・・」妙に間をとって続ける。
「魂 吸いとられちゃうらしいのよねえ」

レイヴンはしれっと言ってのける。
しかしその言葉が終わるか終らないかのうちに、2つの悲鳴があたりに響いた。

「う、嘘でしょ、レイヴン!?」これは、カロル。
「ば、馬鹿言ってんじゃないわよ、おっさん!燃やすわよ!」

カロルは頬をひきつらせ、本気でこわがっている。
虚勢を張っているが、リタの声は若干震えていた。

「おっさん。いー年して子どもをからかうなよ。何百年前の迷信だよ」
「いい年とは何よいい年とは・・・」

エステルが、ふと思い出したように
「でも、あながち迷信とは言えないかもしれませんよ?
――――確かこのきれいなハルルの花にも、そんな話が・・・」

このハルルの樹の花の色は、樹の下に埋まった「籠居帝の花嫁」の血であり、
その色が濃いのは、彼女の怨念が具現化しているせい――――らしいのだが。
ハルルの村長談。

エステルはお話を聞かせるように声音も変えて話す。

きゃあああ!(←カロル含む叫び声)
また、2つの声が重なったところで、パシャリとシャッターが切られた。

(エステル・・・・とどめさしたの、気づいてないだろ・・・)
ユーリは苦笑するしかなかった。

出来上がった写真の、仲間の表情と言ったら。
苦笑するやら叫ぶやら澄ますやら。てんでばらばら。


そして、最後にもう一枚。
背丈の低いラピードとパティを、ユーリとフレンが少し抱き上げるようにして。
ユーリとフレンの腕のすぐ上に、ラピードとパティの顔が見える位置。
まるでマスコットみたいだ。

願わくばこの瞬間が、良き思い出となりますように。


チカチカっ、と。合図。
―――――はい、ポーズ!


fin.


あとがき↓


あとがきという名の補足。

私はこうやってゲーム等々・その他の好きなものももちろんあります。
の好きなものについて書くのですが。

ゲームやアニメなんかの話になると、
イラストを描かれている皆様がとてもうらやましくて。
かといって長い文章を書くと(書けないけど)飽きてくる。

でもやっぱりゲームとかやっていると、こんな場面があったらいいなあとか、
補完のようなこととか(補完できるくらいTOV進んでませんが)浮かんでくることがあって。

今回だったら、記念写真がなんとなく浮かんで、
ユーリとラピード、フレンとパティという、“ちっちゃいものと組み合わせ”がいいなあと思って。
それを絵に描けたらいいのですが、テキストにしてみました。
ラピードが子犬だったらなお、良しです。

メンバーが全員揃っていて、かつハルルにいるなんてことあるんでしょうか。
リタが怖がり?(らしいですね)というのとか、レイヴンがおちょくってたりとか浮かんできて、
そこにハルルの樹の伝説をちょっと入れてみました。

リタは映写魔導器の迷信を知らなかった、ということで。
さてこの魔導器、何と読ませましょうか・・・?

関連記事

category: L TOV SS

thread: テイルズ シリーズ - janre: ゲーム

tb: 0   cm: 0

コメント

コメントの投稿

Secret

トラックバック

トラックバックURL
→http://jupiterbecker69.blog135.fc2.com/tb.php/387-c60b4b87
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)